雨上がりの図書館で本の頁を捲ると、湿気と手垢のついた紙の匂いが混じりあった空気がふっと鼻に触れる。世界各国から集められた絵本、子供の頃に読んだファンタジー小説、やさしい日本語で書かれた様々な分野の子ども向けの専門書などがずらりと本棚に並んでいる。
帝国図書館時代に特別閲覧室として使われていた部屋では、児童文学の歴史に関する資料を取り扱っていて、実際に手に取って閲覧することもできる。本の内容よりも、戦後に出版されたアールデコを思わせる植物模様の装丁の本に目を奪われた。
吹き抜けの天井の周りをぐるりと囲うように、一階から三階へと繋がる階段には美しい飾りの施された木の手摺が付いている。内装のほとんどは新しく作り替えられたものだが、照明や扉の装飾から当時の面影も感じられる。図書館を出てもう一度外観を見てみると、アラベスクの装飾が目を惹く煉瓦造りのファサードが目に入った。大人も十分楽しめる、子ども図書館だ。