霜降の侯

October 26, 2022

ご無沙汰しております。渡邉です。
日に日に秋が深まって参りましたが、お変わりありませんでしょうか。

先日ビジネスメールを送る機会があったが、要件だけ綴った文章が味気なかったので、季節の挨拶を冒頭に入れてみた。その一言を加えたら、随分全体の印象が柔らかくなった気がする。先方から返ってきたメールにも秋にまつわる話題が含まれていて、なんだかほっこりした。

翌日そのメールのことを思い出して、そういえば他にはどんな書き方があるかなぁと思い、ビジネスメールや手紙で使える秋の挨拶について調べてみた。

同じ秋でも、大きく分けて「秋分(しゅうぶん)」「寒露(かんろ)」「霜降(そうこう)」の三つの時期に分けることができ、その時期によって使われる季語も違うらしい。

  • 秋の夜長、虫の音が心地よい季節となりましたが、
  • 日増しに秋の深まりを感じる季節となりましたが
  • 秋も一段と深まり、陽だまりの恋しい季節となりました。
  • 日増しに寒さが身にしみるようになりました。
  • 木枯しが吹きすさぶこの季節、

いくつか例文が挙げられている中で、個人的にいつか使ってみたいなぁと思ったものを選んでみた。

「秋の夜長、虫の音が心地よい季節となりましたが、」は、九月のまだ日中は暑さが続く中で、夜になると虫の音が聞こえてくる様子。

「木枯しが吹きすさぶこの季節、」は、多分十一月頃に落ち葉の広がる通りで冷たい風が吹く様子。

だんだん秋が深まって、冬がもうすぐ訪れて来そうな感じがする。

文字を書く機会がめっきり減って、手紙を書くことなんてもうほとんど無くなってしまった。年賀状ですらここ数年送っていない。手紙を書いたり、もらったりすると、天気や季節の話題が大体添えられている。手紙が手元に届くまでに隔てられていた時間が、少し遅れて感じられるのが良い。

今ではいつでも、どこにいても、思ったらすぐに連絡できるようになってしまった。会わ(え)ない間にその人のことを想う、そんな時間が無くなってしまったのが寂しい。

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